正木大使から御挨拶
令和5年1月9日

2023年1月
欧州連合日本政府代表部
特命全権大使
正 木 靖
欧州連合日本政府代表部
特命全権大使
正 木 靖
新年、明けましておめでとうございます。
2020年秋のブリュッセル着任から2年以上に渡り、激動のEU情勢とその中で一層重要性を増す日本とEUとの関係強化に努めて参りました。新年を迎えまして、これまでを振り返るとともに2023年の展望を述べたいと思います。
2022年、長く続いたパンデミックに伴う規制が緩和され人々の活動が以前の水準に戻りかけた矢先、ロシアによるウクライナ侵略という未曽有の危機が発生しました。第二次世界大戦後に二度と戦争を起こさないという固い誓いの下に築かれたEUの隣国ウクライナに対する侵略は欧州諸国に深い衝撃を与えました。
この侵略はいかなる国にとっても他人事ではありません。岸田総理の「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」との言葉に示されるように、実際、国際秩序への挑戦は東アジアでも続いています。日本はEUを筆頭とする同志国との連携の下、一貫してウクライナに対する強い連帯を示し、厳しい対露制裁を行うと共にウクライナに対する支援を強力に押し進めてきました。
2023年、日本はG7議長国として議論をリードして参ります。G7として引き続き法の支配に基づく国際秩序を守り抜くとの決意を示すと共に、エネルギー問題や食糧危機といったグローバルな課題にも対処していく必要があります。そのためにも、G7メンバーでもあるEUとの連携を一層推進していきたいと思います。
最後に、日本とEUはいずれも戦後の荒廃から立ち上がった歴史と経験を共有しています。EUは基本的価値を共有する重要なパートナーであり、日本は様々な国際社会の課題に対処していきたいと思っており、私もその最前線にて最大限努力して参りたいと思います。どうか皆様方からのご支援をよろしくお願い申し上げます。