Speech by Mayor Noshi of Matsuyama City
Haiku Post-Box Ceremony, April 20 2012.
*In Japanese only*
こんにちは、松山市長の野志克仁と申します。
本日は、ヘルマン・ファン・ロンパイ欧州理事会議長ご出席のもと、欧州各国の俳句協会および欧州連合本部の皆様がお集まりになるこのような式典に、参加させていただき大変光栄に思っております。日本の南西部に位置する四国の愛媛県にある松山市は、近代俳句の礎を築いた正岡子規をはじめ、個性ある俳人を数多く輩出する町であり、1,500基を超える市内のあちらこちらにある句碑や歌碑、そして市内90か所に設置する観光俳句ポストなど、「俳句」というシンプルかつ伝統的な文学を、より身近に感じていただくことができる“俳句の都”です。
外務省および欧州連合の共催で、2010年からはじまった「日・EU英語俳句コンテスト」の最優秀賞受賞者は、日本と欧州連合から各1名選ばれ、それぞれ「俳句の都・松山」と「ファン=ロンパイ欧州理事会議長の出身国であるベルギー」にご招待されることとなっております。日本と欧州連合の交流を政府間だけでなく市民レベルにおいてもより親密かつ積極的なものとするきっかけを与えてくれました。
日本の俳都であります松山は、当該コンテストの立ち上がりから、最優秀賞受賞者を迎え入れており、これまでに、2010年にはルーマニアからエドワード=ツァラ氏を、2011年にはイタリアからフェデリカ=ベルタッキーニ氏をお招きしました。
そこで、この度、HAIKUという日本が生んだ世界最小の文学が、人と人、国と国を繋ぐ架け橋となり、欧州と日本の国際交流をさらに深く強いものにしてきた現状を踏まえ、欧州の首都であるここブリュッセルに松山市「観光俳句ポスト」を贈呈するものです。
観光俳句ポストは、昭和41年に近代俳句の祖と言われている俳人・正岡子規の生誕百年祭の記念事業の一つとして開始されてから、年々数を増やし、現在では主要観光地や道後温泉のホテル・旅館、お寺、路面電車など、松山市内合計約90ヶ所に設置しているものであります。日本での投句数は、1年間で約12,000句にのぼり、観光客(市外)の方々が約8割を占めていますが、欧州にも沢山の俳句愛好者の方々がいらっしゃると聞いておりますので、より多くの欧州各国の皆様に俳句の魅力に触れていただける機会となれば幸いです。
最後になりましたが、松山出身の俳人・正岡子規が35年の短い生涯を捧げた最も単純で感性に溢れた“俳句”という表現文化が、ヘルマン・ファン・ロンパイ欧州理事会議長をはじめ欧州各国の俳句協会および欧州連合の皆様とのこのように素晴らしい出会いの機会を与えてくれたことに感謝するとともに、日本と欧州連合の交流がより一層深まることを心からお祈り申し上げまして、私からのご挨拶とさせていただきます。
kite may fly freely
aloft in the wind, bound to
the string in your hand友愛につながれて飛ぶ凧(いかのぼり)